先週フカヒレが香港から到着したことを書きましたが、今回は少しだけフカヒレのことについて書こうと思います。
私たち日本人が想像するフカヒレというと”フカヒレの姿煮”の料理名の通り三日月やブーメラン型のヒレを想像することが多いと思います。もちろん私もこの仕事をするまでは、フカヒレは三日月型をしていてそれをそのままの姿で調理したものがフカヒレの姿煮なんだと信じていました。
でも、香港から届くフカヒレは乾燥した状態でも30cm以上はあるヒレ、そのままではお皿にのるサイズではありません。そしてもう一つ、フカヒレと一言でいっても大きさや色、形の違う沢山の種類と名前があることに驚きました。
フカヒレ(魚翅)とは一般的な総称で、”包翅”と”散翅”の二種類に別けられます。包翅は主にサメの背びれと尾びれの部分で一本一本のヒレがある程度一緒になって形になっており、散翅は主に横ヒレの部分でヒレの繊維一本一本がバラバラになっているヒレのことです。包翅はさらに、”排翅”=小さい包翅と”裙翅”=大きい包翅に別けられているようです。
フカヒレについて勉強しようと、香港や日本でいろいろな本を探しましたが詳しく書いている本がなかなか見つからないんです。なぜだか、ヒレの部位によって別けられる名前、乾燥状態でのヒレの名前、調理された後のヒレの名前、ヒレの形で別ける名前、サメの種類で別ける名前などなど、フカヒレには皆が勝手につけて好きに呼んでるのではないかと思われるほど沢山の名前があります。そんなこともあって私たちがフカヒレとまとめて認識してしまってるのではないのでしょうか。
さてさて、沢山あるフカヒレの中でも日本の福臨門で主に使っているのが上の写真の6種類です。写真で見ていただくと一本一本になっているものと一つのヒレになっているものがあることがわるかと思います。左下のヒレは、荷包翅(財布型フカヒレ)という名前のフカヒレで一般的なフカヒレの姿煮に一番近いフカヒレです。
料理をするとこんな感じになります。
たまにお客様から姿煮じゃない!!とお叱りを頂くことがあるのですが、これが福臨門での”フカヒレの姿煮”です。 もちろんこのヒレもそのまま何もしなければ一般的な姿煮に出来るのですが、乾燥状態から戻したフカヒレの食べられない部分をきれいに取り除いていくとどうしてもバラバラになってしまい、なんとか姿の形にもどして調理をすることが精一杯の姿煮です。
そして、海虎と書かれた右手前のフカヒレが散翅(バラバラのヒレ)の最高クラス、タイガーシャークのヒレです。
一見麺の様にも見えますが、これがヒレについた脂肪や余分な部分を丁寧に丁寧に取り除いて一本一本の繊維の状態にしたものです。もうここまでくると、サメの魚臭さは一切なく赤酢なんて絶対に必要ありません。上湯スープを注いで食べる極上のフカヒレ料理です。
香港では、フカヒレや干し鮑などの高級乾物は中国需要の急増から値段が日々上がっていますが、この海虎翅はフカヒレのなかでも今一番貴重とされ値段も驚くほどに上がっているフカヒレです。最近ではフカヒレなどの仕入れが以前と比べると少しずつ難しくなっており、香港の羅総料理長も日本の福臨門の仕入れのために毎日業者さんと会ってくれていると聞きます。
日本ではなく中国へ売ったほうが高く買ってもらえると言われるのは同じ日本人として少し寂しい気持ちになりますが、羅総料理長が仕入れてくれたフカヒレを日本のお客様に美味しいといって召し上がっていただけるよう日本スタッフ一同頑張りましょう! そして皆さまぜひ一度”フカヒレの姿煮”というイメージを忘れて福臨門のフカヒレを召し上がってみてください。

















